2014年12月15日月曜日

COP20閉幕と、ペルー滞在の最終日

こんにちは、派遣者の北です。
長かったCOY10, COP20も無事に終わり、派遣者は次々と日本へ帰国しています。
私がペルーまで一番残っております。もうすぐ帰国の途につきます。

(1) COP20の閉幕
(※臨場感をお伝えしたいので、交渉の内容についてはあまり触れていません)
今回COP20の閉幕までいたのは、CYJのメンバー3名です。
COPは会期が1,2日延長するのが恒例となっており、今年もやはり議論が難航してかなり会期が延びていました。
土曜日の夜に決着かと最初は思われたのですが、先進国と途上国のINDCの目標範囲についての意見の隔たりが埋まらず、
結局土曜日の午後11時頃に最終議長案が提出され、それが受け入れられたのが日曜日の午前2時頃でした。
私達3人は何としてもCOPの閉幕を直接見ようと会場にずっといたので、睡魔との闘いがずっと続いておりました。

COPの閉幕の瞬間は、感動を覚えました。議長が"Decision is true. All decided."と叫び、
木槌をポンと叩いた瞬間、会場から大きな拍手が巻き起こり、皆笑顔で手を取り合い喜びました。
丸々2週間ずっと厳しい交渉を乗り切ってきた交渉官や議長の笑顔はとても美しいものでした。
最後に各国・各組織の代表がスピーチをし、次のパリ会議に向けてエネルギーが移りつつあるのを感じました。



(2) ペルー滞在の最終日
COPが閉幕した次の日、リマ市内を少し観光しました。
南半球で緯度も低いので、季節は夏に移りゆく頃でした。
デパートで水着がたくさん売られている一方で、クリスマス商戦も活気を帯びていて、日本では考えられないような雰囲気を味わいました。

観光したのは日曜日ということも合って、リマ市内のアルマス広場やラ・ウニヨン通りは多くの人で溢れていました。 観光客も多く目につく一方、伝統的な衣装を身にまとった人々もちらほら見かけます。
建物は、中世に建てられたと思われる、古くて西洋の伝統的な雰囲気を保ちつつ、 その中は人々で賑わうデパートになっているというように、歴史と発展を同時に感じられる都市でした。

一方中心地から少し離れると、レンガ造りの崩れかけた家々や、木の板で張り合わせただけの建物が連なるスラムのようなエリアも広がっています。
南米の中でも比較的発展していると言われるペルーですが、 格差を残しながらの発展ということで、まだまだ課題はたくさんありそうです。

それでも、現地の人々の目には温かさが宿っている気がします。
困っている様子をしていたら気軽に声をかけてくれ、少し道端で言葉を交わしただけで 明るい笑顔を向けてくれるこの国の人々の心の暖かさに、心が和みました。

まだまだペルー国内で見足りないものもたくさんありますが、 3週間も滞在した私の結論として、また来たいと思わせてくれる国でした。
人々の暖かさ、食事の美味しさなど、心を休め、楽しませてくれる雰囲気がこの国にはあります。
日本のほぼ反対側に位置する国で、旅行するにはかなり困難が伴いますが、それだけ感動も一潮です。

さよならペルー。また会う日まで。

2014年12月14日日曜日

COP20、いよいよ閉幕!!!

みなさんこんにちは^^
国内からCOP20 をぼちぼち追っている吉岡です。

さて、ついに!熱い議論が繰り広げられたCOP20も本日閉幕しました!
このブログをお読みのみなさんも、なんだかすこし寂しいのでは?
今回のブログでは、COP20の成果のまとめをします。


COP20が閉幕。今回の議論の成果は?

おもな論点は3つ。

(1)それぞれの国が出す温室効果ガス排出削減の目標案はどうあるべきか?

2015年に合意、2020年よりスタートする新しい国際枠組みについての目標案を各国が提出することになっていましたね。COP20では、その目標案についてより具体的な議論が行われました。

①目標案として出さなければいけない、最低限の情報(基準はいつにするか? どんな計画をたてるのか? そもそも温室効果ガスってどこまでを指すのか?など)を決めました。

それぞれの国が出す目標案は、周りからわかりやすいものでなければなりません。なので、こういった情報をきちんと出すことが必要なのですね。
また、目標がきちんと温暖化を防止することに貢献しますよ、といったことも説明できるものでなければなりません。だから、こういった情報を決めておくことが重要なのです。

②各国が目標案を出し合った後に、それらの目標案を足し合わせた効果を報告書としてまとめることが決まりました。しかし、目標案を事前に評価する協議を開催することが今回決定されると期待されていましたが、一部の途上国が反対したため、叶いませんでした。

 (2)2015年合意(新しい国際枠組み)にどんな「要素」をいれるべきか?

現在、5月に「交渉テキスト」(=2015年合意の下書きみたいなもの)を準備することになっています。今回の会議では、2015年合意にどんな「要素」(これはもはや専門用語なので悪しからず…)を盛り込んでいくかについて、議論されました。

例えば、資金についてはどうするのか?排出削減だけではなく、温暖化の影響に適応していくための目標はどうするのか?2015年合意の目標は義務にするのか、守れなかったときには罰則を設けるのか?などが論点になりました。

(3)2020年までの各国の取り組みをどう底上げしていくか?

このブログをお読みのみなさんにはそろそろおなじみ(?)の2015年合意ですが、スタートするのは2020年です。つまり、それまではどうするの?ということを考えることが必要です。

今回の会議でも、どうやって2020年までの各国の取り組みをよりよいものにしていくべきかについて話し合われました。
温室効果ガス削減のさらなる取り組みの強化にむけて、専門家会合(TEMs; Technical Expert Meetings)というものがCOP19から開かれています。
ここで、専門家を集めて議論が行われたり、先進的な事例を紹介したりするのですが、その中で見出された取り組みの実施を後押しする仕組みを作ることがCOP20の主な課題でした。

結果としては、十分な仕組みのかたちを作ることができませんでしたが、今後もTEMsは開かれるようなので引き続き注目したいですね。
(参考:WWF Japan ウェブサイト)


★関連記事まとめ
『COP20、削減目標の基本ルールでようやく合意』 TBSNews 12月14日17時12分
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2372174.html
『COP20 各国が提出する目標に具体性を持たせることを確保』FNN 12月14日17時45分www.fnn-news.com/news/headlines/.../CONN00282634.html
『削減目標の項目で合意=温室ガス、被害対策も-COP20閉幕』時事通信12月14日20時01分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121400098&g=eco
『COP20:事前検証は見送り 自主目標ルール合意』毎日新聞 2014年12月14日 22時35分
http://mainichi.jp/feature/news/20141215k0000m040169000c.html


日本が宝石賞!?

会議のまとめからは少し外れますが、ホットなニュースなので紹介させていただきます。

化石賞…はなんだか聞いたことあるぞ、という方も、「宝石賞」ってなんだ?と思ったかもしれませんね。 じつは、交渉に後ろ向きな態度をとった国に皮肉の意味をこめて贈られる化石賞とは対照的に、交渉に貢献した国に賞賛と今後の期待の意をこめて贈られる賞が「宝石賞」なのです!COP20期間中に二度も化石賞を受賞してしまった日本ですが、ついに宝石賞を受賞しました。

ただし、日本が今回受賞したのは「あと一歩で宝石賞」。
それぞれの国の目標案を評価する協議について、NGOなどのオブザーバーもプロセスに参画させるよう主張したことが高く評価されました。
しかし、緑の気候基金(GCF;Green Climate Fund)の会議をウェブ中継することに反対したため、「あと一歩」(おしい!)という評価になったようです。


以下に、日本に関連したCOP20記事をまとめています。日本は今後どのように気候変動問題の解決に貢献していくのか。みなさんの自分なりの視点で、「気候変動問題と日本」についてぜひ考えてみてくださいね。


★関連記事まとめ

『目標提出、日本へ圧力強まる=温室効果ガス削減で―COP20』時事通信 12月11日14時59分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121100510&g=soc
『望月環境相、COP20で「2050年までに温室効果ガス80%削減』NO BORDER  12月12日15時11分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141212-00010002-noborder-pol
『日本に初の「宝石賞」=温暖化対策、プラス評価-NGO』時事通信 2014年12月12日14時53分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121200517&g=eco
『COP20:日本は縦割り、 省庁別、1国で7部屋』毎日新聞 2014年12月13日 11時24分
http://mainichi.jp/select/news/20141213k0000e040177000c.html

パリに向けて・・・

いかがでしたでしょうか。 来年のCOP21はパリで開催されます。いよいよ、新しい国際枠組みが合意される日がやってきますね。
国際交渉は身近な話ではないかもしれませんが、これからもわたしたちが住み続ける地球、そしてこれからの私たちの暮らしと、とても大きく関係しています。
一連のブログを読んで、少しでも気候変動交渉に興味を持っていただける方が増えたのなら幸いです!

以上、COP20交渉ブログでした!

★もっとしりたい人向けに…COP20 情報おすすめサイト
 会議場通信”Kiko”も読めます♪
気候ネットワーク ウェブサイト COP20/CMP10 リマ会議http://www.kikonet.org/international/unfccc/cop20/

交渉の流れがわかりやすくまとまっています。今回の記事も参考にさせていただきました。
WWF Japanウェブサイト 
「国連気候変動リマ会議(COP20・COP/MOP10)閉幕:国別目標案の準備が本格化へ」
http://www.wwf.or.jp/activities/2014/12/1239514.html

国立環境研究所 社会環境システム研究センター 久保田 泉氏からの現地レポートがアップされています!
JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)ウェブサイト COP等(国際会議) レポート
http://www.jccca.org/trend_world/conference_report/cop20/

わかりやすく会議の進捗が分かる、「リマ通信」が読めます!
CASA(地球環境市民会議)ウェブサイト 気候変動枠組条約 締約国会議(COP)に関するページ
http://casaletter.blog52.fc2.com/blog-category-4.html

2014年12月13日土曜日

ユースのエネルギーの源〜アジアユースを通じて〜


いよいよCOPのクロージングが始まろうとしています。
ここでは、Asian Youth Climate Network(AYCN)の活動を振り返ります。

アジアユースとしては、COY10 (Conference of Youth) やCOP20でのサイドイベントで各国での経験・政策への意見交換を活発に行ってきました。アジア以外の地域の多くの参加者を迎え、多様な視点によって有意義なディスカッションをすることが出来たと思います。

COY10 台湾主催のサイドイベントにて発表

COP20 公式サイドイベントにて発表

また、ミーティングを重ねる中、来年に中国でAsian Power Shiftというイベントの開催を決め、準備段階に移ることが出来ました。

ネットワーキングの意義はなにか?AYCNの長期ゴールをどのように達成し成果を出すか?ーーまだまだ議論すべき点は残っています。

しかし、各国から集ったユースの皆さんの熱意が、AYCNを大きく動かしていると思っています。
あるユースは、AYCNの強化をCOY・COPに行く第一の目的と定め、自らの役目を必死で問い続ける日々を送っていました。
では、ユースの皆さんを突き動かしているものは何か?それは、将来世代の一人である自覚から生まれる、「自分が行動しなければ!」との強い決意だと感じています。

気候変動という難題を前に、”アクションしたとしても、果たしてうまくいかないのではないか?”ーーそのような問いの存在が、時に行動を制約してしまうことがあります。しかしAYCNの活動を通じて出会ったユースは、失敗を恐れず、各々がリーダーシップを発揮されていました。変化を生み出すためには、そのような力強いイニシアチブが大切であることを感じました。





COP20がまもなく閉幕します

こんにちは、派遣者の北です。
COPは予定の12日終了を下馬評通り延長し、13日まで議論がもつれ込みました。
主なテーマは、ADP(ダーバンプラットフォーム特別作業部会)における'Finance'、'Scope'です。
具体的には、(1)グリーン気候基金(GCF)、(2)INDCの適用範囲のことです。

(1) グリーン気候資金(GCF)について
COP16で採択されたカンクン合意(2010)で設立が合意された基金のことで、それがようやく100億ドルに達したことが今話題になっています。
しかし、2020年までには年間1000億ドル集めるようにするのが当初の目標だったのですが、
それまでのロードマップが中々はっきりしないことから、議論が13日の昼間でもつれ込んでいます。

(2) INDCの適用範囲について
INDCは「各国の自主的な約束草案(経産省訳)」のことで、2015年第一四半期までに各国が提出することが期待されています。
しかし、先進国の多くが緩和中心の案にしたい一方で、途上国の多くは適応やCapasity Building、Financeなどの分野も含んだ
案にすることを求めています。
これは、途上国で気候変動への被害が大きい島嶼国や熱帯地域の国で特に強い意見で、
気候変動の影響に対して早急に適応しなくてはいけないというその国の切実な事情もあります。

上の2つ以外にも様々な論点がありますが、
交渉は夜になっても中々妥協点を見いだせず、結局現地時間の13日夜3時まで交渉を続けるという
かなりタイトなスケジュールが組まれています。
私達は、次の日に備えて早めに帰りましたが、そんな時間まで議論を続けなければいけないという気候変動交渉の厳しさに改めて驚かされました。


今この記事を書いているのは、現地時間の13日15時頃です。
ちょうどADPのクロージングが終了、COPのコンタクトグループの最後の?会合も終わり、あとはCOPのクロージングを待つのみになっています。
クロージングの最後の、議長が木槌をポンと鳴らすクライマックスを見届けるため、最後まで交渉を見届けます!

2014年12月12日金曜日

こんばんは!
今回は国内から見て、COP20の進展や位置づけについて書きたいなと思います。
詳しい会議の進捗状況等は、実際に参加しているメンバーがタイムリーに伝えてくれているので、少し歴史にも触れたいと思います。

日本時間は既に1213()に入ってしまっていますが、COP20開催地であるペルーは日本との時差が14時間あるので、まだお昼前・最終予定日の交渉が始まったあたり・・といったところでしょうか。近年の会議は半日以上延長して終了するということが多くなっているようで、明日のブログを更新されるときにもまだ会議が終わっているかがわかりません・・・
きっと今日の夜から深夜(明け方!?)まで交渉が続くことかと思います。派遣者の皆にも最後の正念場、体調に気を付けて頑張ってもらいたいものです!また会議の成功を祈っています。
今週は前半から閣僚級会合が始まり、日本から望月環境相が参加することで少し話題になりました(ブログでも一度取り上げたものです)
国内でも、交渉の進捗度合い等を各メディアが報道しているニュース等を通じてうかがい知ることができます。その中で気になったものに焦点を当てたいと思います!

アメリカが先進国に行動を促す (Yahoo ニュース)
中国が積極姿勢強調 (NHK
中国の電源構成見直しについて (日本経済新聞)

日本のメディアなので、日本の動向に関しては頻繁に取り上げられていることは勿論ですが、他にもアメリカや中国に関する報道がやや目立ちます。これはGDP1位、2位の国であるから?というわけではありません。逆に環境先進国というイメージのあるEUについて詳しく触れてある記事はあまり見受けられません。
さて、なぜこの2国が多く取り上げられるかというと、ズバリ国別の二酸化炭素排出量が1,2位の国であり、米中が合意できるか否かが成果文書の合意の可否に大きくかかわってくるためです。今世界でもっとも二酸化炭素を排出している国は数年前から中国になり、次いでアメリカ、インド、ロシアと並び、日本は世界第5位です。またアメリカ・中国・インドの3ヶ国だけで世界全体の排出量の約半分を占めます。詳しくは次のサイトに見やすく資料がまとめられています。
http://www.jccca.org/chart/ (全国地球温暖化防止活動推進センター)
日本も世界全体排出量の4%を占める大排出国のうちの一つということがわかりますね。(数字で表してしまうと小さく見えますが)


気付いている方もいるかと思いますが、この記事中でアル・ゴア氏(映画「不都合な真実」で有名?)の発言でも言及されているように、中国やアメリカが気候変動問題解決の推進に取り組んでいるような状態が見られます!
これは数年前では考えられないことでした!例えば、アメリカは“京都議定書”から脱退したことは耳にしたことがある人も多いと思います。また中国に関しては近年大気汚染の問題等がよく取り上げられていますね。自分が気候変動交渉を少しかじりだした時は、途上国として先進国の削減行動や支援を求めるグループのトップのような存在であったように思います。現在では、交渉に関わるグループもめまぐるしく変化・多様化しています。


これからも世界の情勢は激しく変化していくと思いますが、その中でも今回の合意(?)のように気候変動問題解決の後押しとなるような出来事が増え、既存の気候変動に関する対策も長期的視点で実施されていくことを望むばかりです。

2014年12月10日水曜日

デンマークだより①

 今回はデンマークの首都、コペンハーゲンより、デンマークの環境に対する配慮についての記事をお届けします!

環境境対策先進国として名高いデンマークは、地球温暖化や気候変動に対しての取り組みが盛んに行われています。気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)ではデンマークが議長国となり、コペンハーゲンでの会合を主催しました。

再生可能エネルギーの利用や風力発電が盛んなのもデンマークの特徴で、「エコ大国」としてデンマークの名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。

このような国際的な活動のほか、デンマークではリサイクルや自転車通勤をはじめとする身近な活動も盛んです。

今回は、私がコペンハーゲンでデンマーク人家族と過ごしている間に感じた、身近なエコ・環境問題対策、特にリサイクルやごみ分別について書きたいと思います。


図1:アパートのリサイクル可能製品のゴミ置き場
図1は私の住んでいるアパートの敷地内にあるリサイクル可能製品のゴミ捨て場で、奥からプラスチック、紙、段ボール、手前の小さなボックスは電池を含むバッテリー用です。更に、スーパーマーケットにはリサイクルマークのついたビン、缶、ペットボトルを返却するための機械(図2)があり、素材や大きさに応じてキャッシュバックが受けられます。この他輸入品などマークのないビン専用の回収ボックスもあり、色付きのビンとそうでないものを分けて回収しているところもあります。



図2:スーパーに設置されている返却機械。
日本でも牛乳パックやペットボトルの回収ボックスがあり、私の通う大学のゴミ箱も燃えるゴミ、燃えないゴミ、ペットボトルといった分別がなされています。しかし、野菜や果物を買ったときについてくるボックス、コンビニ弁当やサラダなどの容器といったプラスチック製品をきちんと分別している人はあまり見かけないように思います。これらのプラスチック製品を分別し、リサイクルするシステムがデンマークに比べ遅れているとも言えるかもしれません。

 私がこちらへ来て驚いたのは、ほぼすべてのデンマーク人が面倒だと思わずに分別を行っているという点です。スーパーでペットボトルや瓶を返却すると返金がありますが、その他紙やプラスチックのリサイクルは人々の意識なしには達成できないものです。

こちらに来たばかりのころ、私はうっかりトマトの入っていた薄いプラスチックのボックスを通常のゴミと同じところに捨ててしまい、一緒に住んでいるデンマーク人のお母さんに注意されたことがありました。この出来事を通して、デンマーク人にとってリサイクルはして当然で、リサイクルをしないことを見過ごすことはできないのだと感じました。

地球環境センター調べによると、リサイクルによってリサイクルせずに燃やしたり埋め立てたりした場合にごみ処理のために排出される温室効果ガスと、リサイクル製品が作られなかった場合に同等の製品を作るために必要となる燃料消費や資源消費に伴う温室効果ガスの排出を抑えることができ、これはリサイクルをする際に排出される温室効果ガス、すなわち分別して収集・回収するための燃料消費に伴う温室効果ガス、回収した再生原料から再生製品に加工するために必要な燃料消費に伴う温室効果ガスの値を上回っています。更に、石油を利用して作られるプラスチック製品やペットボトルは燃やしてしまうと温室効果ガスを発生させる上、有限資源と言われている化石燃料である石油を同時に消費します。
 
 たかがリサイクル、されどリサイクル。
 こうした小さな動きを、日本をはじめとする他の国々にも広めて行ければと思います。


ひまわり

過激なアクションに遭遇

 今回のCOPも8日目を迎えました。派遣者は連日個人の興味に沿ってサイドイベント・交渉・パビリオンイベントに参加しています。
 
 サイドイベント・パビリオンイベントでは交渉と同じく様々なテーマで行われています。資金(Finance)、減災(Disaster Risk Reduction)、炭素市場(Carbon market)、二酸化炭素地下貯留(CCS: Carbon-dioxide Capture and Storage) など多岐に渡ります。5日に行われたサイドイベントで個人的に興味のあるCCSについて聞いてきました。簡単に説明すると、火力発電所等において発生するCO2を分離・地下貯留するというものです。
CCSで回収したCO2の利用方法には、
1.光合成に用いバイオマスを作る
2.オイルサンドにCO2を通すことで取り出しにくい石油を採取する(これをCCS-EOR (Enhanced Oil Recovery)と呼びます)
といった2があります。


 イベント名は"The ability of clean fossil and non-fossil energy to fulfill sustainable development goals" (持続可能な開発目標を達成するためのクリーンな化石燃料と非化石燃料の特徴) で、持続可能な開発に対し各々のエネルギー源の良い点・悪い点を考え、クリーンエネルギー・技術が如何に貢献できるかを探るという趣旨です。
 
 連日石炭を中心とした化石燃料に対する否定的な意見が聞かれるなか、中東の方がクリーンな化石燃料について何を喋るのか興味がありました。ちなみに、中東地域は水不足に苦しむ国が多く、気候変動が進むことによりますます雨が降りにくくなることが懸念されています。石油産業という自国の経済とそれが生み出す水不足の促進というジレンマに直面しています。
 
 中東の石油会社の方が語っていたのは、CCS-EORを行うことにより産出量が増え、企業(国)が潤うと同時に地下貯留で大気中のCO2濃度に影響を与えない素晴らしい技術だ、ということでした。

 化石燃料に対し批判的なアクションを行っていた人はこれをどう受け止めるのでしょうか。埋めるので許容するのか、それとも石油を使い続けることが再生可能エネルギーへのシフトを妨げるものなので批判的に捉えるのか、それとも全く別の捉え方をするのか。COPというと排出量削減というイメージを持つ方もいるかと思いますが、サイエンスから提供された情報をどのように解釈するのか、技術といかに向き合うかといった考えを共有・議論する機会も提供されています。
 
 




 さて、COP会場では毎日趣向を凝らしたアクションが行われています。あの有名な化石賞も数あるアクションの一つで、昔から継続して行い今では多くのメディアに取り上げられるまでに至っています。アクションを行うには気候変動枠組条約の事務局に申請する必要があり、以下で紹介するアクションも許可されたものです。

 8日の昼 ユースによる大きなアクションが行われました。写真はそのときの様子です。テーマは石油を筆頭とする化石燃料産業への批判です。

Corporate Capture≠Solution

石油会社が連携し独占することは気候変動の解決策にならない。つまり、既存の産業体制のままでは気候変動を食い止めることはできないというメッセージです。

Get Fossil Fuels Out of COP 
化石燃料をCOP会場から追い出そう
 
石油業界への批判的なメッセージ 


化石燃料会社を追い出そうというシャツ。Shellを名指しで批判するメッセージも


ナイジェリアの方(青い服)が石油産業への意見を演説

 このアクションも含めClimate Justice=気候正義 という言葉を多くのアクションで聞きます。一方的に危害を加えるような行為を許さない姿勢が強くでています。
 企業を名指しで批判するアクションは初めて見ました。それだけでも個人的にはインパクト十分でしたがさらに続きました。表向きにはこれでアクション終了でしたが、希望者を連れてパビリオンイベントの部屋に押し掛けることに。その部屋ではShellの方が講演をされていました!
 殺到する人々、それを追いかけるメディアと野次馬、100人以上が一つの部屋に押し掛け軽いパニック状態に。警備員が駆け付け一触即発と言っても差支えない雰囲気になりました。
 人の気迫はすごい!こうしたアクションは影響力があると感じた一方、誰の目にも明らかな状態で攻撃するスタイルは日本には定着しそうにないとも感じました。このアクションによりShell、石油業界はどのように変わっていくのでしょうか。この程度では何も変わらないのでしょうか。


部屋に押し掛ける人々。通路も埋め尽くされた






 

 

COP20 ユース活動Part1

お久しぶりです。

CYJの内藤@Limaです。
無事、9日の朝にリマに到着しCOP20に参加してきました。

僕からは、交渉の話やMeetingの話ではなく、ユースの活動について紹介したいと思います。
そもそも、ユースとは何歳から何歳までなのか?

とあるサイトでユースと検索すると、「青年」と出てきました。
要するに、自称青年ならば何歳でもいいのかもしれません(^^)
18歳ー30歳説がCYJ内では普及してますが、どうなのでしょうか??

9日は2つのユースの活動を見学してきました。

1)AYCN(Asian Youth Climate Network)の意見交換会 With"Prof. Nico Stern"

あのスターンレビューで知られるProf. Nicholas SternとアジアユースとのMTGが開かれました!

~AYCNミーティング~意外と野外は涼しい!

スターン教授がいらっしゃいました!

すべてを聞き取ることは出来なかったのですが、
気候変動対策で重要なのは、グローバルな視点とローカルな視点の両方で考えること。
経済ばかりに目を向けてはいけないこと。
とのことです。
【なんと!】AYCNのサポーターになってください!
とお願いしたところ・・・
"もちろん、OKだよ!"
と返事を頂くことが出来ました!


AYCN……。(WEBサイトへ)

このようなユースのアジアネットワークが存在しており、COP期間中も活発に活動していることはとても魅力的な活動であると思います。
(AYCNの皆さんが話す英語はスピードが速すぎて…途中から追いつかないという事件が。笑)

気候変動に関する、アジア圏内のネットワークに興味がある方は是非コンタクトをとってみてはいかがでしょうか?何名かのCYJメンバーもAYCNに所属していますよ!

是非、是非・・・・・・。


2)韓国ユースの熱量ある活動!

とりあえず、Japan pavilionを見学するか…と思った矢先に、
なんと、若者が歌を歌っている!?
なんだ?なんだ?なんだ?????


Talk About Love Climate Change??

 とりあえず、活動の目的を聞いてみたところ、
CarbonOffsetの認知を広げる活動(署名)をしていたらしいです。
CarbonOffsetに関しては、僕も関わっているのでOh!という感じなのですが、

韓国はグリーン購入がとても進んでいる国なのです!

参考:▼2014/11/27記事 中央日報 「韓国消費者3人に2人『値段高くてもエコ商品買う』」
http://japanese.joins.com/article/282/193282.html

日本も負けてられませんね!!





・・・・・・・・・。
このブログを書きながら、やる気が出てきました!
明日も頑張ります!

See you again !

2014年12月9日火曜日

COP20と再生可能エネルギー(1)~市民・地域共同発電所~】


さて,本日の記事は,CYJ歴4ヶ月のひよっこ(27歳)がお送りします。

テーマは,再生可能エネルギー。

エネルギーの脱炭素化は気候変動の緩和の選択肢としてIPCC AR5に明記されていますが,
ご存知のとおり,日本は再生可能エネルギー(RE)を発電に利用する割合が低く,Green House Gas: GHG削減に向けたネックのひとつとなっています。
原子力発電もGHG排出削減自体には効果を発揮しますが,それ以外のリスクの大きさ,住民理解を得る難しさ,核燃料廃棄物処分の課題,海洋温暖化への寄与など,
持続可能性という点で疑問符がつきます。

従って,住民の理解が得られやすくまた国際理解を得る意味でも長所のあるREの普及は,
日本の気候変動対策を推進し,国際交渉の場での立場を上げることにも繋がるはずです。


そこで今回紹介したいのが,「りょうぜん市民共同発電所&福島県北農民連第一発電所」です。
私は,CYJもお世話になっているNPO「気候ネットワーク」が主催する「福島・自然エネルギー学校」に参加し,
この太陽光発電設備を見学することが出来ました。(二つの発電所は厳密には出資母体が違うものの隣接している)



行ってみてまず感じたのが,「意外にナチュラル」!!

おそらく周りの土地が広いためか,景観的にも思ったほど不自然な感じがしませんでした。
施設内にはイノシシが土を掘り返した跡なんかもあり,のどかでした笑 (イノシシはパネルには損害を与えないそうです) 




りょうぜん市民共同発電所の方は,投資信託を介して一般の方からの出資によって成り立っており,20年間で償還される予定になっています。
農民連というのは,農業を営む人なら誰でも加入できる団体で,各県に○○県農民連というかたちで存在しています。
つまりこの二つは市民もしくは地域住民による発電所ということです。設備容量(単位時間当たりの最大出力)は合わせて150kwだそうです。これは平均的な家庭の30~40世帯の電力を賄えることになります。

もちろん,市民発電所の運営によって出資者に配当もして,ということが可能になったのは,
 「固定価格買い取り制度」(Feed In Tariff: FIT)のおかげであります。
ただ,FITを活用するといってもその目的は様々で,
市民・地域発電所の特徴は「市民による市民のための」というところです。

モデルとなったのは環境先進国,ドイツ。
ドイツでのFITに相当するものは2000年に始まり,
2010年に導入された自然エネルギーによる発電所の約半分は市民・農民が所有していると言われています。

市民発電所を,再生エネの普及という面からみたメリットは一般的に,
 ・発電に関わる雇用を生み出し,地域活性化の可能性をもっている
 ・地域住民による発電所なので,設置に対する理解が得やすい
などが挙げられます。

また福島で行う福島県民へのメリットとして,
農地からの転用をした場合に,風評被害を被らない形で土地に利益を生み出す一つの方法とも考えられます。
今回現地で色々お話を伺って感じたのは,「福島を復活させるためにやる」あるいは「自分たちの手でエネルギーを」ということでした。
それが気候変動対策にもなるなら一石二鳥なわけです。
「エネルギーの自給自足」という観点から,地域におけるRE,特に太陽光発電の普及には可能性を感じました。


一方でまだまだ課題もあり,
 ・日本のFITがまだ発展途上で,資金集めに苦労することが多い
 ・大企業との競合になった場合に勝ち目があるか
などが挙げられます。

2012年にスタートした再エネの固定価格買い取り制度ですが,電力会社が再エネの大口買い取りを中断するなど,
技術的にも制度的にもまだまだ再エネ普及にとっては困難がありそうです。
また,太陽光は比較的初期投資が少なくてすみ短期間にできるため市民にも手を出しやすいのですが,
企業にとっても早期に利益を回収できるので両者が太陽光に集中してしまっています。

これを打破するために例えば,企業レベルの資金規模がないと出来ないような大型の風力発電などは企業が担い,
太陽光は市民が,などの棲み分けを促す制度が出来ればと思っています。
ただデンマークでは風力発電さえ市民が行っているようなので,このあたりの制度に関してはもっと勉強しないと,と思っています。


都市と農村の暮らしが画一的になる必要はないのではないかと思います。
地方の過疎化と気候変動は一見結びつかないのですが,
市民・地域共同発電所という仕組みはその両方の解決策となる可能性を秘めているのではないでしょうか。


最後に。
本日の「記事は」などと始めてしまったものの,ウラ取り不足の面もあるかと思います。
ご指摘ご意見ありましたら是非コメントをよろしくお願いします!

(次回,余力があれば,もうひとつの再生可能エネルギー普及の可能性,「浮体式洋上風力発電」について書いてみたいと思います。こちらは都市の電気を賄い地方に「外貨」をもたらす可能性を秘めているのでしょうか?!その辺を勉強中です。)

やさか


※参考文献:「市民・地域共同発電所のつくり方」和田武,豊田陽介ら編著,かもがわ出版,2014

2014年12月8日月曜日

気候変動に取り組むアジアの仲間たち

こんにちは、北です。
COP20の1週目が終了しました。少しは会議の雰囲気に慣れて、議論が少しわかるようになってきた頃で、少しホッとしています。 日曜日には、AYCN(Asia Youth Climate Network)という、
アジア圏で気候変動に取り組むユースたちと一緒に、海岸に近い素敵なレストランで今後のアジアユース全体での活動について話し合いました。 この時、別に日本からやってきた東京大学のCCWGという団体の方たちとも合流し、久しぶりにの再開に喜びました^^

さて、毎年COP20の期間中には世界中から様々なユースの団体が集まり、会場内外で活動を繰り広げます。
しかし、COPが終わってそれぞれの国に帰ってしまうと、お互いの活動がなかなか見えずそれぞれの国内の活動にとどまってしまうのが現状です。
そんな状況を打開するために、皆でじっくりと話しあい、企画する場を持とうということで、CCWG主催のワークショップとして開催されました。

4時間に渡る話し合いで、どんな連携ができるのか、どんな課題に取り組むかなどを話しあい、今後の繋がり合いを確認しました。
国境を超えた協力というのはこれまでも中々難しい課題が多くありましたが、CYJとしての貢献の仕方を考えながら、連携していく予定です。

集まったユースの国は、日本、中国・台湾、韓国、インド、ネパール、シンガポール
という錚々たる顔ぶれです。
彼らのエネルギーあふれる活動への情熱には感動すら覚えます!
国に帰っても、お互い頑張っていきましょう!


2014年12月6日土曜日

有名人になった!?ユースへのインタビュー

 もうCOPの1週目が終わろうとしていて時間が経つのが早いなと感じています。
 COP=国際交渉、というイメージを持たれる方が多いかと思いますが、締約国による実際の交渉(Negotiation)の他に、サイドイベント、パビリオン、展示が行われています。サイドイベントの数は2週間で200近く行われ、スピーカーが日頃取り組んでいること、考えていることなどをプレゼンしています。また、政府・NGO等仕事としての参加ではない人も多く(多くのユースが該当しますね)、そういった人を対象としたアンケート、インタビューを行う研究者(教授・学生)もいます。今回はCYJ派遣者が交渉を聞く以外に何をしているかにフォーカスして書いていきたいと思います。
 

 1日の記事で少し触れましたが、この日はスウェーデンの大学のカール先生からインタビューを受けました。カール先生は社会学が専門で、特にスウェーデンを含むスカンジナビア地域・日本の環境、気候変動におけるユースの活動を研究されているそうです。COPに参加する理由、会場の雰囲気は想定していたものと比べてどうか、COP期間中に何を達成したいか、他国のユースをどう連携しているかといった質問をされました。こうしたインタビューでは個人の意見が"国"を代表する意見のように扱われる可能性があり下手なことは言えませんが、各々自分の考えを答えました。COP19でも同様にインタビューを受けていて、良い関係が築けています。
 
 
 サイドイベント、パビリオンでは、他国のユースから声をかけていただきCYJが発表をする機会を持つこともできました。ちなみに、サイドイベントは会場のmeeting一覧にも掲載されたオフィシャルなものであり、パビリオンは国ごとのブースを指し、ブース内で行われる小規模のイベント内で喋る機会をもらいました。4日はサイドイベントで服部が、5日は中国パビリオンのイベントで塩原、服部の二人が、韓国パビリオンのイベントで北がそれぞれ発表しました。日本パビリオンでもイベントが開催されていて、JICA、JAXAの方などがお話をされています。


中国パビリオンは他国と比べ広く、お金をかけているなと感じます



韓国パビリオンでのイベントの様子


 中国パビリオンでの発表後、China Radio International、新華社通信の方からインタビューを受けました。COPに来た理由から京都議定書第二約束期間に日本が参加していないことに対してどう思うかに至るまでさまざま。福島原発事故をうけて日本がどのような状態にあるか、日本政府が石炭火力を推進しようとしている理由などを説明しました。COPが気候変動の会議であるためか原子力についての話をメインにしたイベントはほとんどなく、このインタビューのように少人数で話すときに織り交ぜるようにしないと日本の置かれている現状を理解してもらうことはなかなか難しいと感じました。放射線の脅威、汚染水の処理、除染の必要性を理解している人は少なく、日本は原発を止めて火力に置き換えることで気候変動をあえて促進しようとしている、と感じている人も少なからずいるように思えます。相手の置かれた現状・立場を理解して物事を考える重要性を感じます。そしてこれは気候変動の影響を受けやすい国と受けにくい国との関係にも言えることかもしれません。

ラジオの取材を受ける様子




 今回はCYJが受けたインタビューを中心にお届けしました。これ以外の活動も行っているのでまた次回書きたいと思います。それでは今日も会場に行ってきます!


歩み寄り

こんばんは。国内サポーターのぶっちー@東京です。
COPの季節が来るたびに、自分が参加したCOP15からこんなに経ったのか…と思わされます。

社会人になってから、逐一COPの情報をチェックすることができていないので
今日は初週分を一気におさらいしてました。

何日か前のメンバーのブログにもありましたが、
日本は早々に化石賞を受賞したようですね。
理由としては、日本政府が途上国での石炭火力発電所建設に
資金援助を行っているということからです。

私は電機メーカーで働いているので、
どちらかといえば日々、日本の石炭火力発電設備の技術力の高さの情報が入ってきやすいです。
営業なので技術力を評価することはできませんが、
少しの効率を改善するのにもものすごい努力が必要なことは何となく感じます。
(だから私の担当製品は新しいのがなかなか出ないの!笑)

ここで問題だなと思うのは
技術者は努力して改善目標をクリアできたら
それで達成!終わり!という風になってしまっていること。

設備をメンテナンスする人からのフィードバックは技術者に届いても
その周辺の人や世間の評価は届かなかったりするものです。
(真面目で目の前のことに一生懸命な人が多いですからね!)

良い政策ができても、実行に移せなかったら意味がありません。
技術屋さんと政策屋さんの対話がもっともっと必要だと思います。
バックグラウンドが違い過ぎる人たちを
つなげるような仕組みはないのかなーと思います。

政策屋さんも、技術的な議論をできる必要はないですが、
今の技術がどいうい段階・傾向にあるかなどチェックしてみて下さいね。

ということで、政策屋さんが技術屋さんに歩みよるために
私が(たまに)チェックする業界紙を載せて終わりにします。


リマの皆、体調に気を付けて張り切ってきて下さい♡

2014年12月5日金曜日

【直前お知らせ】もうひとつのCOPにでたユースが報告会!

先月行われた生物多様性条約COP12に参加してきたユースメンバーが明日、報告会を実施します!国際会議にユースを派遣している仲間として、彼らの活動を聞きに行こうと思います。興味のある方はふるってご参加下さい!
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「2014年12月7日 世界的な生物多様性の動きについて考える」
    生物多様性わかものネットワークCOP12報告
■■開催概要━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
◆日時:12月7日(日) 15:00〜18:00(14時半:受付開始予定)
◆場所:日本自然保護協会事務所会議室
・東京メトロ日比谷線・東西線「茅場町」駅 (3番出口)から徒歩6分
 http://www.nacsj.or.jp/nacs_j/about.html#map
 ミトヨビルというビルの2階です。
◆参加費:無料

主催:生物多様性わかものネットワーク
共催:国際自然保護連合 日本委員会(IUCN-J)
協力:日本自然保護協会

【当日コンテンツ】
■COP12とは?
■COP12でのユースの活動
実際にCOP12で、私達や海外の若者がどのような活動をし、どのような成果を得られたかを報告します。
■ユースの活動の課題
COP12で感じたユースとしての活動の課題や重要性について、メンバーと皆様で意見交換を行います。
など 【参加申し込みフォーム】
http://goo.gl/forms/SWWmXFNzxC
お申し込みは、上記のフォームにご記入いただくか、このイベントページの参加予定をクリックしていただくかのどちらかで結構です。
資料準備のため、事前の申し込みにご協力ください

「COP20ムービー」”一足遅れ、COP20へ参加します!”

皆さん、初めまして!

CYJの内藤です。メディアの観点から環境問題へ取り組みを行っています!

この度自分も、一足遅れてしまいましたがCOP20へ参加できることになりました。
12月8日~12日の第2週目に参加します!

 4月よりCYJの活動に参加させていただいて、気候変動に関すること・国際交渉についてなど…
様々なことを学ばさせて頂きましたが、

重要なのは!

「気候変動(≒地球温暖化)について、広く一般の人に知ってもらい、共感してもらうこと。」

であると、自分は思います。
 「COP20」には、様々なバックグラウンドを持った人が参加すると思いますが、
自分が特に意識したい点は、
どうしたらCOPの様子を魅力的に伝えることができるか?

一番わかりやすい例としては、CMの作成ではないか?と思います。
個人的にこういうCMが好きだ!というだけで、色々な種類の物があっていいと思いますが
やはり「動画」はわかりやすいですね!

CYJでもCOP20派遣ムービーや、ADP(ダーバンプラットホーム)解説動画など…
色々撮っています。

「COP20 派遣者募集ムービー」

実は・・・
COP20プロモーションムービーも「YouTube」にアップされていました!知っていましたか-?

「COP20 プロモーションムービ」

COP会場内では、学生目線で、そこまでプロフェッショナルではない自分が、

この活動・内容は面白い・重要だ!

と感じたものを、ムービーとして皆さんに発信できれば!と思います。
(ムービー編集の専門家ではないので、質の高いムービーを期待しないでください!(笑))


少しだけ専門的な話をさせていただきますと、個人的には国内での削減政策が今後どのように変化していくのか?に興味を持っています。
現在、経済産業省(METI)が推進する「J-クレジット」のカーボンオフセット事業に長期インターン生として加わり、活動させてもらっています。

COP20と言えば、INDCや2020年以降の新たな枠組みの構造などが注目を浴びる中、
どのような交渉が行われ、どう国内政策が変化していくのか?興味深いです。

以上、内藤秀治@横浜よりブログ更新でした!専門的な話題に触れられずごめんなさい!
次のブログもお楽しみに!⊂( ˆoˆ )⊃

2014年12月4日木曜日

選挙期間中のCOP参加は政治家にとって最適解!?

みなさま、こんにちは。国内でCOP20をこっそりTrackしている元COP派遣者です。

もしかしたら、もしかしたら、って最近浮かれ気味の気候変動交渉の話題、いろいろ言いたいことはあるのですが、最近気になっていることを1つだけ批判的に書いてみようと思います。

選挙期間中にもかかわらずCOP20への
参加を表明した望月環境大臣
(写真:環境省HPより)
それは、COP20に望月環境大臣が出席すると決めたことに関する話題。もちろん日本政府の代表として大臣が参加することは喜ばしいことですが、その記事や、読者の反応を見ていると、どうも変。

11/28付けの日経新聞によると「選挙も大切だが、重要なものはどちらかと考え、出席することにした」そう。「(衆院の)環境委員会があるから」といって、生物多様性条約のCOPへの参加を取りやめたのも「重要なものはどちらか」考えた結果だったろうか。



国民の代表を決める選挙でオウッタエする時間を割いてまで行くのだから、よほどの大義があるのだろう。まさか手ぶらで行って、記念撮影だけして帰ってくるわけではあるまい。行っても行かなくても責められる政治家という職業には脱帽するけれど、手放しでは誉められない理由もある。たった数か月しかなかった大臣生活、この時期に履歴書づくりに励む気持ちになってもおかしくないのだから。

そんな大臣に問いたい。
選挙期間中、政治家が合法的に新聞広告を出すこと如何?


おまけ
せっかくこの時期なので各党のマニュフェストから気候変動関係個所をひいてみました。まあ、ページ数もまちまちなので、比較にもなりませんが、意外とちゃんと書いてあることに驚き。

自民党:(要約版にはなし)
・北極政策の推進:北極は地球規模の気候変動の影響が最も顕著に現
れている地域であり….
・農業の成長産業化: ...家畜改良や気候変動に対応する研究開発を推進します。
・環境変動の予測による地域産業基盤の強化:
・近年異常気象による損害が多発するとともに、地球温暖化は避けられない事象であり、将来の平均気温の上昇や降水量の変化等の気候変動に伴う影響
が懸念されています。このため、各地域における中長期的な視野に立った地域産業を基盤とする「まちづくり」の強化に活用可能な気候変動等に関する観測・分析システムを国において整備し、各地域の創意工夫による将来性のある「まちづくり」を支援します。
・温室効果ガス削減のための新しい国際的枠組みへの貢献:気候変動枠組条約についての国際交渉のこう着状態を打開するため、日本発で新たな温室効果ガス削減の世界的な枠組みづくりに貢献します。
・地球温暖化に対する適応策の推進:国内においては、気候変動の影響を把握し、それ
に対する適応策を推進するため、平成 27 年夏を目途に適応計画を策定し、生物の多様性の保全…
・地球規模の課題への取組み強化:人間の安全保障の理念に基づき、国連関係機関等との連携・協力を強化しながら、気候変動等の地球環境問題や防災・保健システム強化をはじめとする

省エネルギー社会、地産地消の分散型エネルギー社会を実現し、地球温暖化対策をさらに進めるため、「分散型エネルギー推進基本法」を制定し、地域の中小企業を支援し、地域活性化・雇用創出を実現します。太陽光・風力・バイオマス・地熱・水力・海洋資源などの再生可能エネルギーを拡大し、燃料電池・蓄電池・スマートグリッドなどの省エネルギー技術を飛躍的に普及させます。

(検索できなかったけど、ぱっとみ書いてない)

維新
気候変動に関する記述なし。(検索できなかったけど、ぱっとみ書いてない)

共産
地球温暖化対策の深刻な遅れを克服し、外交交渉でも積極的な役割を果たす:国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、今年11月初めに発表した第5次統合報告書で、現在のペースで温室効果ガスの排出が続けば21世紀末までに世界の平均気温は最大4・8度上昇し、人類や…

※その他の政党に関しては各自でご確認下さい。もうつかれた

また、原発政策の比較に関してはこちらにまとまっているので参照されたし。