2014年12月14日日曜日

COP20、いよいよ閉幕!!!

みなさんこんにちは^^
国内からCOP20 をぼちぼち追っている吉岡です。

さて、ついに!熱い議論が繰り広げられたCOP20も本日閉幕しました!
このブログをお読みのみなさんも、なんだかすこし寂しいのでは?
今回のブログでは、COP20の成果のまとめをします。


COP20が閉幕。今回の議論の成果は?

おもな論点は3つ。

(1)それぞれの国が出す温室効果ガス排出削減の目標案はどうあるべきか?

2015年に合意、2020年よりスタートする新しい国際枠組みについての目標案を各国が提出することになっていましたね。COP20では、その目標案についてより具体的な議論が行われました。

①目標案として出さなければいけない、最低限の情報(基準はいつにするか? どんな計画をたてるのか? そもそも温室効果ガスってどこまでを指すのか?など)を決めました。

それぞれの国が出す目標案は、周りからわかりやすいものでなければなりません。なので、こういった情報をきちんと出すことが必要なのですね。
また、目標がきちんと温暖化を防止することに貢献しますよ、といったことも説明できるものでなければなりません。だから、こういった情報を決めておくことが重要なのです。

②各国が目標案を出し合った後に、それらの目標案を足し合わせた効果を報告書としてまとめることが決まりました。しかし、目標案を事前に評価する協議を開催することが今回決定されると期待されていましたが、一部の途上国が反対したため、叶いませんでした。

 (2)2015年合意(新しい国際枠組み)にどんな「要素」をいれるべきか?

現在、5月に「交渉テキスト」(=2015年合意の下書きみたいなもの)を準備することになっています。今回の会議では、2015年合意にどんな「要素」(これはもはや専門用語なので悪しからず…)を盛り込んでいくかについて、議論されました。

例えば、資金についてはどうするのか?排出削減だけではなく、温暖化の影響に適応していくための目標はどうするのか?2015年合意の目標は義務にするのか、守れなかったときには罰則を設けるのか?などが論点になりました。

(3)2020年までの各国の取り組みをどう底上げしていくか?

このブログをお読みのみなさんにはそろそろおなじみ(?)の2015年合意ですが、スタートするのは2020年です。つまり、それまではどうするの?ということを考えることが必要です。

今回の会議でも、どうやって2020年までの各国の取り組みをよりよいものにしていくべきかについて話し合われました。
温室効果ガス削減のさらなる取り組みの強化にむけて、専門家会合(TEMs; Technical Expert Meetings)というものがCOP19から開かれています。
ここで、専門家を集めて議論が行われたり、先進的な事例を紹介したりするのですが、その中で見出された取り組みの実施を後押しする仕組みを作ることがCOP20の主な課題でした。

結果としては、十分な仕組みのかたちを作ることができませんでしたが、今後もTEMsは開かれるようなので引き続き注目したいですね。
(参考:WWF Japan ウェブサイト)


★関連記事まとめ
『COP20、削減目標の基本ルールでようやく合意』 TBSNews 12月14日17時12分
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2372174.html
『COP20 各国が提出する目標に具体性を持たせることを確保』FNN 12月14日17時45分www.fnn-news.com/news/headlines/.../CONN00282634.html
『削減目標の項目で合意=温室ガス、被害対策も-COP20閉幕』時事通信12月14日20時01分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121400098&g=eco
『COP20:事前検証は見送り 自主目標ルール合意』毎日新聞 2014年12月14日 22時35分
http://mainichi.jp/feature/news/20141215k0000m040169000c.html


日本が宝石賞!?

会議のまとめからは少し外れますが、ホットなニュースなので紹介させていただきます。

化石賞…はなんだか聞いたことあるぞ、という方も、「宝石賞」ってなんだ?と思ったかもしれませんね。 じつは、交渉に後ろ向きな態度をとった国に皮肉の意味をこめて贈られる化石賞とは対照的に、交渉に貢献した国に賞賛と今後の期待の意をこめて贈られる賞が「宝石賞」なのです!COP20期間中に二度も化石賞を受賞してしまった日本ですが、ついに宝石賞を受賞しました。

ただし、日本が今回受賞したのは「あと一歩で宝石賞」。
それぞれの国の目標案を評価する協議について、NGOなどのオブザーバーもプロセスに参画させるよう主張したことが高く評価されました。
しかし、緑の気候基金(GCF;Green Climate Fund)の会議をウェブ中継することに反対したため、「あと一歩」(おしい!)という評価になったようです。


以下に、日本に関連したCOP20記事をまとめています。日本は今後どのように気候変動問題の解決に貢献していくのか。みなさんの自分なりの視点で、「気候変動問題と日本」についてぜひ考えてみてくださいね。


★関連記事まとめ

『目標提出、日本へ圧力強まる=温室効果ガス削減で―COP20』時事通信 12月11日14時59分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121100510&g=soc
『望月環境相、COP20で「2050年までに温室効果ガス80%削減』NO BORDER  12月12日15時11分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141212-00010002-noborder-pol
『日本に初の「宝石賞」=温暖化対策、プラス評価-NGO』時事通信 2014年12月12日14時53分
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201412/2014121200517&g=eco
『COP20:日本は縦割り、 省庁別、1国で7部屋』毎日新聞 2014年12月13日 11時24分
http://mainichi.jp/select/news/20141213k0000e040177000c.html

パリに向けて・・・

いかがでしたでしょうか。 来年のCOP21はパリで開催されます。いよいよ、新しい国際枠組みが合意される日がやってきますね。
国際交渉は身近な話ではないかもしれませんが、これからもわたしたちが住み続ける地球、そしてこれからの私たちの暮らしと、とても大きく関係しています。
一連のブログを読んで、少しでも気候変動交渉に興味を持っていただける方が増えたのなら幸いです!

以上、COP20交渉ブログでした!

★もっとしりたい人向けに…COP20 情報おすすめサイト
 会議場通信”Kiko”も読めます♪
気候ネットワーク ウェブサイト COP20/CMP10 リマ会議http://www.kikonet.org/international/unfccc/cop20/

交渉の流れがわかりやすくまとまっています。今回の記事も参考にさせていただきました。
WWF Japanウェブサイト 
「国連気候変動リマ会議(COP20・COP/MOP10)閉幕:国別目標案の準備が本格化へ」
http://www.wwf.or.jp/activities/2014/12/1239514.html

国立環境研究所 社会環境システム研究センター 久保田 泉氏からの現地レポートがアップされています!
JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)ウェブサイト COP等(国際会議) レポート
http://www.jccca.org/trend_world/conference_report/cop20/

わかりやすく会議の進捗が分かる、「リマ通信」が読めます!
CASA(地球環境市民会議)ウェブサイト 気候変動枠組条約 締約国会議(COP)に関するページ
http://casaletter.blog52.fc2.com/blog-category-4.html

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