2011年11月15日火曜日

CYJのCOP17に向けての声明文

Climate Youth JapanCYJ)声明
「地球温暖化防止のためのCOP17合意を」

地球の次世代を担っていく私たち若者は、IPCCにより示された気候変動に関する科学的知見を重く受け止め、気候変動は現代だけではなく現代から未来世代にまで関わる世代間の問題であると認識している。
次期枠組み交渉の遅れにより、気候変動対策に対する法的枠組みに空白期間が生じる恐れがある。私たちは、これまでの取り組みが停滞、あるいは後退し気候変動問題が一層深刻化する可能性があることに強い危機感を持ち、気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17 )に参加する。

311日、日本は東北関東大震災により甚大な被害を受けた。その中には、地震そのものの被害だけでなく、原子力発電がもたらした放射能汚染という大きな被害が含まれている。その日以来私たちは、原発事故や放射能汚染の莫大な影響を目の当たりにしてきた。日本という国の若者として、原子力をエネルギー供給のベースとして位置付け、また国外へ持ち出そうとする日本政府の姿勢を大いに嘆じている。

私たちは京都議定書が誕生した国の若者として、京都議定書によって前進した気候変動に対する国際協力の更なる深化の可能性を信じている。私たちは、深刻化する地球温暖化のなすがままになるのではなく、この問題を解決する先駆者となることを希望する。そこで、気候変動問題の解決のために法的拘束力をもつ次期枠組みの国際合意が、気候変動問題が手遅れになる前に成立することの必要性と可能性を信じ、以下の通り声明を発表する。


私たちは、日本政府に求める。
法的枠組みのない空白期間を生み出さないこと。しかし、京都議定書の第二約束期間を第一約束期間の単純延長にはしないこと
第一約束期間における6%削減という目標は、気温上昇を2未満に抑えるには不十分だと考えられる。よって、第二約束期間においては25%削減という目標を維持することはもちろん、可能な限りより野心的な目標を掲げること。
京都議定書を批准しこれまで気候変動対策を行ってきた日本やその他の国に関しては、引き続き京都議定書の法的枠組みにのっとりさらなる対策をすすめ、現在京都議定書を批准していない世界の主要国に関しては、それらの国が合意するような国際的枠組みの締結に向けて尽力すること
京都議定書の第二約束期間に対する各国の提案に対して反対を強く主張してきた従来のような、途上国と先進国の隔たりを広げ交渉の進展を妨げる姿勢から、建設的な妥協の姿勢へと転換すること
「共通だが差異ある責任」の原則にたち、途上国が温室効果ガス排出削減を行い温暖化への適応を進められるよう、そして先進国からの技術移転を促進するための資金メカニズムが十分で予測可能で持続可能なものになるよう配慮すること。
上記のような先進国の責任をはたし、発展途上国や新興国を含めた世界各国の歩み寄りを促し交渉を前進させること
放射能汚染という大きなリスクをはらみ、事故の際には甚大なコストを要求する原子力に国内のエネルギーを依存し、さらにはその技術を国外へ持ち出そうとする姿勢を改めること。そして、再生可能エネルギーをメインに据えたエネルギーのベストミックスで世界を牽引する国を目指すこと。
私たちは、世界の若者に示し、そして共に行動する。
日本の気候変動対策の現状と課題、気候変動に対する日本の若者の考えや行動を世界の若者に伝え、また各国の現状と課題を彼らから学びとり、そして彼らとともに学ぶ
同じ世代を生き、これからの地球をになう若者として気候変動の深刻性・緊急性について対話を通じてその認識を共有する。
COP17において、またCOP17終了後も継続して、各国政府に訴える活動を将来世代の代弁者として協働して行い、各国政府や各国の人々に若者の主張を認識させる。


私たちは、持続可能で豊かな未来を望む。
人間を含む全ての生き物が気候変動の犠牲になることなく、いつまでもいきいきと暮らせる未来となること。
地域に合った再生可能エネルギーを急速に普及させ、世界が再生可能エネルギーをエネルギー供給の中心とすること。
日本の環境技術がさらなる発展をかさね、持続可能性を考慮したうえで地球環境問題の解決に貢献していくこと。
様々な世代の、様々な立場の人々が気候変動問題に関心を持ち、議論を深めあうこと。そして、それが政策にきちんと反映されるような社会であること。


そのために、我々日本の若者は日本が直面する問題について学び、議論し、行動していく。
国際交渉とこれに参加する日本政府の動向を注意深く監視し、必要に応じて声を上げる
選挙の際には、気候変動政策を投票の判断材料にし、自分たちの意見を政府に認識させる。
自分の存在や行動の可能性を信じ、自らが変化を起こす主体となるよう努める。


上記のようなビジョンをもち、若者にとって生存に関わる問題となる気候変動問題について世界中の人々に訴える。

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