2010年11月23日火曜日

Climate Youth Japan 声明について

  私達、Climate Youth Japan(CYJ)は、COP16において「世界平均気温の上昇を工業化前から摂氏2度以内に抑える」という文言を盛り込んだカンクン議定書の作成を訴えています。

  現在、賛同者を募集しています。

  本記事では、この内容について説明します。


Climate Youth Japan 声明

  昨年コペンハーゲンで開催されたCOP15は、全締約国の合意の下に2013年以降の国際枠組みを採択することはできませんでした。
コペンハーゲン合意を留意(take note)するという結果でした。つまり、法的枠組みとしては何も決められなかったのです。

  私達CYJは、京都議定書と名古屋議定書の採択の地である日本のユースとして、COP16において次期枠組みとしての法的文書、カンクン議定書が採択されることを求めます。 
日本では、気候変動枠組条約における法的文書(京都議定書)、生物多様性条約における法的文書(名古屋議定書)が採択されました。メキシコのカンクンで行われるCOP16において、法的文書(カンクン議定書)が採択されることを日本人として訴えていくべきではないでしょうか。

  さらに私達CYJは、カンクン議定書の内容として、以下の文言の採用を求めます。

『全ての締約国は、衡平の原則に基づき、かつ、持続可能な開発の文脈において、世界 平均気温の上昇を工業化前から摂氏2度以内に抑え、気候変動の死活的な影響を特に受けやすい国に対して、国際的な資金援助を含む包括的な適応計画を作成す るために、緊急的かつ実効性のある対策を協働して講じなければならない。』

この文言は、コペンハーゲン合意や交渉文書の共通ビジョンというチャプターの文言を参照して作成しました(参考資料)。ただ、曖昧な表現をより直接的な表現に改変し、実効性のある対策を促せるようにしました。例えば、世界平均気温の上昇が2を超えると、これまで評価された種のおよそ2030%が絶滅するリスクが高まる可能性があります(参考資料)。生態系の変化が、私達の生活にどんな影響を与えるか分かりません。将来の安全な生活のためには、気温の数値目標を速やかに法的枠組みに加え、世界中で協働して対策することが必要です。

  また、私達CYJは、全締約国が、利用可能な最善の科学に基づき、将来世代への気候変動による死活的な影響をさけるべく、長期的に協力的な行動を取ることを求めます。
→COP16以後も、将来世代への被害を抑えるために、科学の発展を反映させた制度作りを、世界が一丸となって推し進めていくべきだと考えています。


参考資料(Reference)

<Copenhagen Accord para1>
……we shall, recognizing the scientific view that the increase in global temperature should be below 2 degrees Celsius, on the basis ofequity and in the context of sustainable development, enhance our long-term cooperative action to combat climate change. We recognize the critical impacts of climate change and the potential impacts of response measures on countries particularly vulnerable to its adverse effects and stress the need to establish a comprehensive adaptation programme including international support.

<コペンハーゲン合意 パラグラフ1> (外務省仮訳)
……我々は、世界全体の気温の上昇が摂氏2度より下にとどまるべきであるとの科学的見解を認識し、 衡平の原則に基づき、かつ、持続可能な開発の文脈において、気候変動に対処するための長期的協力の行動を強化する。我々は、気候変動の悪影響を特に受けや すい国における気候変動の死活的な影響及び対応措置の潜在的な影響を認識し、国際的な支援を含む包括的な適応計画を作成する必要性を強調する。

<AWG-LCA 12 th Draft Text chapter1 A shared vision para2>
……[maintain] [hold] [stay well below a 1.5 degree Celsius increase in global average temperature above pre-industrial levels] the increase in global temperature below [1][1.5][/350ppm][2] degree Celsius above pre-industrial levels]……



<IPCC IPCC Fourth Assessment Report WG2 Technical Summary>
Roughly 20 to 30%(varying among regional biotas from1% to 80%) of species assessed so far (in an unbiased sample) are likely to be at increasingly high risk of extinction as global mean temperatures exceed 2 to 3°C above preindustrial levels (medium confidence).


<IPCC4次評価報告書第2作業部会報告書 技術要約>(環境省訳)
世界平均気温が工業化前の水準を23超えた場合、(無作為のサンプリングで)これまで評価された種のおよそ2030%(その地域の生物相によって1%から80%まで異なる)で、絶滅のリスクがますます高まる可能性が高い(確信度が中程度)。

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